まず、商品は単なる“製品”にとどまらせるのではなく、価値を付加してこそ、ユーザーにとって購入する値する商品として認識されることを知って欲しい。
例えば、聞いたことのないメーカーが作ったお菓子があり、そのパッケージが真っ白で何も描かれていなかった場合、その商品を購入する人は何割程度いるでしょうか?
どこの誰が作ったのかもわからず、どんな商品なのかをパッケージから推測することすらできない商品は得体が知れず、多くの人が安全性に疑問を持つのではないでしょうか。これに対して、ブランドが認知されているメーカーのお菓子は信頼感が高く、安心して購入できることでしょう。これがブランディングの威力ですね。
私は普段、甘いものは口にしないのですが、友人からお菓子をいただいた時に、ゴディバ(GODIVA)のチョコレートだった時は、めちゃくちゃテンションが上がります。
商品ブランディングは、数ある商品の中から自社商品を選んでもらうための“差別化”を目的とした戦略です。その商品が持つ価値を伝え、ユーザーが商品ブランドに対して共通認識を持つためのイメージ戦略とも言えるでしょう。これによってブランドへの信頼感や共感を作り出し、ブランドの価値をより高めていくことが可能です。
商品ブランディングのポイント
商品のブランディングには、開発の時点からユーザーの手元へと届くまでのあらゆるプロセスがかかわってきます。
まず、商品コンセプトの立案が基本となります。これは、企画をする上での方向性のことを指します。
次に、商標(ネーミング)の開発を行います。ネーミングはブランドの顔となりますから、商品ブランディングのプロセスの中でも、最も重要な位置を占めます。
そして、ブランドデザインのコンセプトを作成し、それに基づいてブランドロゴ、シンボルマーク、パッケージなど、あらゆるデザインを立案します。
さらにもう一つ大切なことは、プロモーションについても考える必要があります。いくら良い商品であっても、ユーザーにその存在を知られなければ売れることはありません。プロモーションに関しても、ブランドコンセプトを体現するデザインで統一することが重要です。
ブランドが大人向けの渋いカラーを採用しているのに、可愛いイメージで紹介すると「商品の方向性」がズレてしまいます。気をつけていきましょう。
このようにして販売へとこぎ着けるのですが、売れた後のフォローも重要です。売れ行きを常に調査し、販売戦略を適切なものに調整し続ける必要があります。また、販売後のアフターフォローも、顧客の信頼性を獲得するためには欠かせないサービスですね。販売後も、ブランド名やロゴマークを見ただけでどのような商品・サービスかわかるように、ユーザーにブランドイメージを浸透させるためのアプローチが必要です。
こうして見るとたくさんの過程がありますが、一つずつ丁寧に計画的に進めていきましょう。
ビジョンで価値を伝えていく
さて、もう一つ、商品のブランディングはその商品単体をブランディング化していく作業ではありますが、その商品は企業というブランドの理念やミッションから生まれたものでなければ、ユーザーから信頼を獲得するのは困難です。
プロダクトのブランディングだけにこだわらず、自社がどのような理念を描き、どのような価値を顧客に提供したいのか、そのビジョンが伝わるような商品ブランディングが求められますね。